「ダイエットで血圧が下がるって本当?」
「何キロ痩せるとどのくらい降圧するの?」
「食事にはどうやって気を付ければいいか知りたい」
「血圧が高めでも取り組める運動とは?」
高めの血圧や肥満気味な体、なんとかしたいですよね。
ダイエットも血圧の改善も、まずは生活習慣を見直して改善することが基本です。
まずは、減塩を中心とした食生活の見直し&軽めの運動から取り組んでいきましょう。
今回は、ダイエットと高血圧の関係性と、肥満解消&血圧を下げる取り組みについて、「整体×パーソナルトレーニング」のASFiT(アスフィット)がご紹介します。
血圧が高めで気になる方、肥満気味なので減量したいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
※この記事は高血圧の予防について解説したものであり、すでに高血圧症を発症した方に向けたものではありません。
内臓脂肪型肥満は高血圧リスクを高める要因の1つ
肥満の人は、そうでない人に比べて高血圧を発症しやすいと言われています。
血圧が気になる方が注意したいのは、内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)。
ウエスト周囲径が、男性で85cm以上、女性で90cm以上ある方は、内臓脂肪型肥満の可能性があります。
肥満を解消することは、高血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常の予防にも効果があります。
内臓脂肪は比較的落としやすいので、無理のないダイエット(食事の改善・運動)を取り入れることで落としていくことが可能です。
何キロ痩せるとどのくらい血圧が下がるの?
肥満の人が体重1kgを落とすと、血圧は1.7~2下がると言われています。
数キロ落とすだけでも、血圧の改善には効果的でしょう。
ただし、食事制限のみに頼った減量方法だと、食事を元に戻したらリバウンドしてしまいます。
運動と食事制限の組み合わせで長期的なダイエット計画を実施することが、健康リスクの低減につながります。
ダイエット&血圧改善を目指す人が食事で意識したいこと
ダイエットも血圧の改善も、生活習慣を見直すことが始めの一歩です。
全体の栄養バランスがとれた食事内容を心掛けることが大切です。
減塩に取り組もう|成功させるコツは徐々に減らすこと
高血圧の改善には減塩が必要であることは皆さんご存知かもしれませんが、実は減塩はダイエットにも効果的です。
塩分を摂り過ぎると身体が水分を溜め込んでむくみやすくなり、その分体重も増加します。
また、味が濃いメニューだと食欲が刺激されてつい食べ過ぎてしまいがち。
減塩することで食欲が抑えられ、むくみがとれて代謝がアップすることで痩せやすい身体に変化していきます。
減塩といっても、いきなり塩抜きすると挫折につながりかねません。
まずは徐々に減塩して、薄味に慣れていくことが大切です。
肥満解消と高血圧改善を目指すために減塩を続けるためのコツを、4つ紹介しましょう。
調味料と味付けを見直そう
まずは調味料を減塩タイプの製品に置き換えましょう。
また、料理の味付けは塩分に頼らず、ハーブやスパイスを使うのがおすすめです。
こしょうや七味、カレー粉、とうがらしなどはナトリウム含有量が少なく、料理の風味を豊かにするので活用していきましょう。
また、塩をかける代わりにレモンやお酢で酸味を加えて味を引き立てることも有効です。
出汁を活用する
昆布や鰹節などの出汁を濃くとって使うと、塩を減らしても深い味わいを楽しめます。
特に、食べる機会の多い味噌汁では、出汁の旨味が大きな助けになるでしょう。
加工食品をできるだけ控える
ソーセージやベーコンなどの加工肉、スナック菓子、インスタント食品などの加工食品には塩分が多く含まれています。
できる限り自炊することで、塩分をコントロールしやすくなるでしょう。
麺類のつゆは残そう
ラーメンなどのつゆは飲まないようにしましょう。
カップラーメンやインスタントラーメン1杯で5~8g以上の塩分が含まれており、これだけで一日分の塩分摂取量に達してしまいます。
つゆを半分残すと1/3の減塩、全部残せば1/2の減塩につながります。
普段から全部飲み干してしまう方は、意識的に控えましょう。
水分摂取量を増やして塩分の排出を助ける
十分な水分摂取は、塩分の排出を助けます。
減塩を始めたての頃は、水分摂取を増やすことでむくむかもしれませんが、体内の塩分が薄まってくれば排出が進みます。
なお、水分はがぶ飲みするのではなく、少しずつこまめに摂ることが大切ですよ。
カリウムの多い食材を摂ることを心掛ける
カリウムを多く含む食材を摂取することも、塩分の排出を促すのに有効です。
カリウムを多く含む食材として、ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、バナナ、芋類、大豆、ひじき、昆布、ドライフルーツなどが挙げられます。
これらの食材を摂ることを心掛けましょう。
良質なたんぱく質の摂取はダイエット&高血圧改善にも効果的
たんぱく質は筋肉を作るのに必要で、満腹感も得やすく過食の防止にも役立つダイエットには欠かせない栄養素。
実は、たんぱく質は高血圧の予防にも効果的であることが研究で明らかになっています。
特に、動物性と植物性とをバランスよく摂取することで、高血圧リスクを減少させることが研究で示されています。
一日のたんぱく質摂取の推奨量は、18~64歳の男性で65g、女性で50gとされています。
摂取量が少な過ぎても多すぎてもいけませんが、現状、適切な量を摂取できていない方は意識していきましょう。
肥満&血圧改善におすすめの運動
肥満や血圧が気になる方は、食事だけでなく運動も取り入れて生活習慣を改善することが大切です。
今回は、血圧が高めの方でも安心して取り組めるよう、国が推奨する運動に基づいて紹介していきましょう。
高血圧改善のための運動は、Ⅱ度以下の血圧値(病院の診察測定時で収取期血圧が160~179mmHgかつ/または拡張期血圧が100~109mmHg)で、脳心血管病のない高血圧患者が対象です。
病気のリスクが高い方は、まず医師と相談してください。
おすすめの有酸素運動は4種目
高血圧の予防および改善には、一般的に有酸素運動がおすすめされています。
『e-ヘルスネット|厚生労働省』では以下の種目を推奨しています。
- ウォーキング(速歩)
- ステップ運動
- スロージョギング
- ランニング
以上のような運動を、できれば毎日30分以上行うことが望ましいでしょう。
なお、こうした運動によって、ダイエット効果もきちんと得られるの?という疑問をお持ちの方もいるでしょう。
そこで、それぞれの消費カロリーについて解説します。
各種目の消費カロリーとダイエット効果
体脂肪1kgを落とすには7200kcalの消費が必要です。
体重は60kg、運動時間を一日30分だと仮定して、体脂肪を1kg落とすまでにかかる期間を計算してみましょう。
計算式は以下のとおりです。
計算式
METs(運動強度)×時間×体重×1.05=消費カロリー
結果は下記表のとおりです。
運動種目 | 1回の消費カロリー (30分) | 毎日行う場合の日数 | 週5回行う場合の日数 |
ウォーキング(速歩) | 135kcal | 約54日 | 約75日 |
ステップ運動 | 189kcal | 約38日 | 約54日 |
スロージョギング | 204.75kcal | 約35日 | 約50日 |
ランニング | 283.5kcal | 約26日 | 約36日 |
高血圧改善の推奨種目でも、継続すれば減量には十分効果があると言えるでしょう。
40分~50分取り組めるようになれば、さらに消費カロリーも増えます。
なお、実際には、これらの運動に加えて食生活の改善に取り組みます。
栄養バランスを整え、『消費カロリー>摂取カロリー』にすれば、より効率的なダイエット&健康増進効果が期待できるでしょう。
慣れてきたら軽い筋トレを取り入れるとより効果的に
『高血圧治療ガイドライン2019』によれば、レジスタンス運動(筋トレ)やストレッチを有酸素運動と組み合わせることは骨格筋量の維持に有効であり、優位に降圧効果を示すとされています。
有酸素運動に慣れてきたら、筋トレを取り入れてみるといいでしょう。
始めは、
- 椅子を使ったスクワット
- かかと上げ(カーフレイズ)
- 腹筋
- 背筋
などの軽い筋トレからスタートしましょう。
これなら過度な負担をかけずに体を動かすことができるため、継続しやすく、関節や腰への負担も軽減されます。
なお、運動する時は呼吸を意識しましょう。
息を止めて力むと、血圧が上がってしまうので注意が必要です。
ストレッチで血管を軟らかくしよう
ストレッチは日常生活に取り入れやすく、血流の改善に役立ちます。
血流が改善されることで、血管が軟らかくなって広がるため、血圧を下げる効果が期待できるでしょう。
ストレッチのポイントは、呼吸を意識し、気持ちいいと感じる程度に伸ばすことです。
今回は手軽に取り組める脚のストレッチ方法を紹介します。
ふくらはぎストレッチ
硬くなったふくらはぎの筋肉を伸ばして、足の血流を改善していきましょう。
やり方
- 椅子に座り、片足を前に伸ばします。
- 足の指を自分の方に引きながら、膝は伸ばしたままで30秒間キープします。
- 同じ動作をもう片方の足でも行います。
股関節をほぐすストレッチ
脚のつけ根の筋肉は普段あまり使われないため、硬くなりやすい部位です。
このストレッチでは股関節を柔らかくし、全身の血行を促進します。
やり方
- 床に仰向けになります。
- 片方の足を抱えて胸のほうに引き寄せ、30秒間キープします。
- 反対側も同様に行います。
ヨガは血圧を安定させる効果がある
ヨガは深くゆっくりした呼吸法を取り入れることで、交感神経を穏やかにし、心身をリラックスさせる効果があります。
ヨガによるストレス軽減は血圧の改善や安定にも有効なので、ストレッチ代わりに日常に取り入れてみてもいいでしょう。
アスフィットのYoutubeでは、自宅でできるショートヨガを紹介しています。
寝る前などの空き時間に、ぜひトライしてみましょう。
まとめ
内臓脂肪型肥満の方は高血圧を発症する確率が高いとされ、他の病気の発症リスクも伴います。
ただし、内臓脂肪は落としやすく、数キロ落とすだけでも血圧の改善に効果的です。
ダイエットにおいては、食生活の改善と運動を組み合わせることが肝心。
減塩を中心とした食生活の改善と、有酸素運動&軽い筋トレ・ストレッチで、無理なく減量していきましょう。
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